歯科医院を安定して経営していくためには、既存患者の継続的な通院だけでなく、新患・初診患者を獲得するための取り組みも欠かせません。しかし、ホームページを作成したり広告を出したりしても、思うように新規患者(以下新患)数が増えないケースもあります。
新患を増やすためには、単に医院の露出を増やすのではなく、患者が医院を知り、ほかの医院と比較し、最終的に予約・来院するまでの流れを意識することが大切です。
この記事では、歯科医院が新患・初診患者を増やすために取り組みたい具体的な方法と、施策を進める際のポイントについて解説します。
歯科医院が新患を増やすには患者の行動を意識することが大切
新患を増やすための施策には、ホームページやMEO対策、Web広告などさまざまな方法があります。ただし、すべての施策を一度に始めるのではなく、患者が来院するまでの流れを把握し、自院の課題に合った施策を選ぶことが重要です。
「認知・比較検討・来院決定」の3段階で考える
患者が歯科医院を受診するまでの行動は、大きく「認知」「比較検討」「来院決定」の3段階に分けて考えられます。
まずは、Google検索やGoogleマップ、広告、ポータルサイトなどを通して医院の存在を知る「認知」の段階があります。その後、ホームページや口コミなどを確認し、診療内容や通いやすさ、院内の雰囲気などをほかの医院と比較する「比較検討」へ進みます。
そして、受診したい医院が決まれば、Webや電話などから予約する「来院決定」につながります。
新患数が伸び悩んでいる場合には、患者がどの段階で離れているのかを確認することが大切です。認知が不足しているのか、医院の魅力が十分に伝わっていないのか、予約方法がわかりにくいのかによって、必要な対策は変わります。
歯科医院が新患・初診患者を増やす8つの方法
新患を増やすためには、患者との接点を増やすだけでなく、医院について調べた患者が安心して予約できる環境を整える必要があります。ここからは、具体的な8つの方法を紹介します。
ホームページを制作・改善する
歯科医院のホームページは、患者が診療内容や医院の特徴を確認する重要な場所です。Googleマップや広告、ポータルサイトなどで医院を知った患者が、より詳しい情報を求めてホームページを訪れるケースもあります。
ホームページでは、診療内容や料金の目安、診療時間、アクセス、院長の紹介など、受診を検討する際に必要な情報をわかりやすく掲載することが大切です。
また、スマートフォンから閲覧する患者も考慮し、予約ボタンや電話番号を見つけやすい場所に配置するなど、予約までスムーズに進める導線も整えましょう。
MEO対策でGoogleマップからの流入を増やす
歯科医院は、自宅や勤務先などから通いやすい場所を基準に選ばれることも多いため、Googleマップを活用したMEO対策も重要です。「地域名+歯医者」などで検索した際に自院の情報を見つけてもらえれば、新患との接点を増やせます。
Googleビジネスプロフィールには、診療時間や診療内容、電話番号、ホームページのURLなどを正確に登録しましょう。さらに、医院の外観や院内の写真を掲載したり、休診日などのお知らせを発信したりすることで、患者が必要な情報を確認しやすくなります。
口コミへの返信も、医院の対応姿勢を伝える要素のひとつです。
SEO対策で検索からの流入を増やす
SEO対策とは、Googleなどの検索結果から自院のホームページを見つけてもらいやすくするための施策です。歯科医院の場合、「地域名+歯医者」だけでなく、「地域名+小児歯科」「地域名+矯正歯科」など、地域と診療内容を組み合わせた検索も想定されます。
力を入れている診療内容について専用ページを設けたり、患者が抱きやすい疑問や悩みに答えるコラムを作成したりすることで、検索を通じた接点を増やすことにつながります。
口コミを投稿しやすい環境を整える
歯科医院を選ぶ際、Googleマップやポータルサイトなどに掲載された口コミを確認する患者もいます。口コミの内容だけでなく、医院側がどのように返信しているかも、医院の雰囲気や対応を判断する材料になります。
院内に口コミ投稿ページへアクセスできるQRコードを掲示するなど、患者が自発的に投稿先を確認できる環境を整える方法があります。
ただし、特典と引き換えに口コミを依頼したり、高評価だけを求めたりすることはやめましょう。評価や内容を指定せず、投稿先を案内する形にとどめることが重要です。
歯科ポータルサイトを活用する
歯科医院の情報をまとめたポータルサイトを活用することも、新患との接点を増やす方法です。ポータルサイトでは、患者が地域や診療内容などの条件から医院を探せるため、自院のホームページだけでは接点を持ちにくかった患者にも情報を届けられます。
一方、ポータルサイトでは複数の医院が並んで掲載されるため、診療内容や医院の特徴、写真などを充実させることが大切です。
掲載して終わりにするのではなく、診療時間などに変更があれば情報を更新し、患者が正しい情報を確認できる状態を維持しましょう。
Web広告で新患との接点を増やす
短期的に医院の認知を広げたい場合には、Web広告を活用する方法があります。検索キーワードに合わせて表示されるリスティング広告であれば、歯科医院を探している患者との接点を作りやすくなります。
また、SNS広告では年齢や地域などをもとに配信対象を設定できるため、矯正やホワイトニングなどの自由診療を知ってもらう手段として活用されることもあります。ただし、広告は掲載を続けるために費用が必要です。広告経由でどれだけ予約や来院につながったのかを確認しながら運用することが大切です。
ブランディングで「選ばれる理由」を明確にする
競合する歯科医院が多い地域では、患者に「この医院を選びたい」と思ってもらえる特徴を伝えることが重要です。
たとえば、小児歯科や矯正歯科などの診療内容、院長やスタッフの専門性、土日診療などの通いやすさ、院内の雰囲気など、自院ならではの強みを整理します。そのうえで、ホームページや院内掲示、スタッフによる説明などで一貫して伝えていきましょう。
患者からの紹介につながる仕組みをつくる
既存患者から家族や知人を紹介してもらうことも、新患獲得につながります。紹介による来院は、既存患者から医院について話を聞いているため、一定の安心感を持った状態で受診を検討してもらいやすい点が特徴です。
医院名や診療時間、所在地などを記載した紹介カードを用意しておけば、既存患者が家族や知人へ医院の情報を伝えやすくなります。
自院に合った施策から優先的に取り組む
新患を増やすための施策は、医院の状況によって優先順位が異なります。開業したばかりで認知度が低い場合は、まずホームページとGoogleビジネスプロフィールを整え、患者が検索したときに必要な情報を確認できる環境をつくることが基本です。
一方、ある程度新患数が安定している医院では、SEO対策や口コミを投稿しやすい環境づくり、紹介、ブランディングなど、中長期的に成果を積み重ねられる施策を強化する方法があります。
また、矯正やインプラントなどの自由診療を強化したい場合には、患者が十分に比較検討できるよう、診療内容ごとのページを充実させたり、院長の専門性などをわかりやすく伝えたりすることも重要です。
新患数だけでなく施策の効果を測定する
新患対策では、施策を実施するだけでなく、その結果を確認することが欠かせません。ホームページへのアクセス状況や検索結果での表示・クリック、Googleビジネスプロフィールの閲覧状況、Web経由の予約数などを確認することで、患者がどの段階で離れているのかを分析しやすくなります。
さらに、初診時の問診票やヒアリングで「何を見て医院を知ったのか」を確認すると、実際の来院につながった経路を把握できます。単純な予約件数だけを見るのではなく、実際に来院した新患数まで確認し、施策にかかった費用と照らし合わせることが重要です。
また、新患が増えても、その後の治療や定期的なメンテナンスにつながらなければ、安定した医院経営とはいえません。次回予約を取りやすい仕組みなど、再来院につなげる環境も整えておきましょう。
まとめ
歯科医院が新患・初診患者を増やすためには、ホームページやMEO対策をはじめ、SEO対策、口コミ、ポータルサイト、Web広告、ブランディング、既存患者からの紹介など、さまざまな方法があります。
重要なのは、すべての施策を一度に実施することではありません。患者が医院を知る「認知」情報を調べる「比較検討」実際に予約する「来院決定」のどこに課題があるのかを把握し、自院に必要な施策から取り組むことが大切です。
さらに、予約件数だけでなく、実際の新患数や来院経路など、施策の効果を継続的に検証し、短期的・中長期的な施策を組み合わせながら改善を続けることが、安定した新患獲得につながります。